日语小故事带假名

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发布时间:2019-11-30 10:14:00

ボートの二人(ふたり)

海外旅行(かいがいりょこう)をしている若(わか)い恋人同士(こいびとどうし)。

メキシコの、とある海岸(かいがん)で日光浴(にっこうよく)をしているとき、小(ちい)さなボートを见(み)つけた。

二人(ふたり)は、どちらからともなく、乗(の)ろうと言(い)いだした。



ボートを漕(こ)ぐのは男(おとこ)。

女(おんな)は水着(みずぎ)の上(うえ)にヨットパーカーを羽织(はお)り、右手(みぎて)だけを海(うみ)に入(い)れている。



「ずいぶん冲(おき)まで来(き)ちゃったわね。

大丈夫(だいじょうふ)?」女(おんな)が言(い)う。



「大丈夫(だいじょうふ)さ。

また漕(こ)いで戻(もど)ればいい」真(ま)っ黒(くろ)に日焼(ひや)けした厚(あつ)い胸(むね)の男(おとこ)が言(い)う。



女(おんな)は男(おとこ)を頼(たの)もしいと思(おも)った。

頼(たのま)れる人(ひと)と信(しん)じていた。

そんな思(おも)いが、こんな言叶(ことば)を言(い)わせたのかもしれない。



「ねえ、もし今(いま)このボートが沈(しず)んだら、私(わたし)たち、どうなっちゃうのかしら。

実(じつ)は私(わたし)、泳(およ)げないのよ」

「大丈夫(だいじょうふ)さ」男(おとこ)は、ほほ笑(え)みながら言(い)った。

「こう见(み)えても仆(ぼく)は、学生时代(がくせいじだい)、平泳(ひらおよ)ぎの选手(せんしゅ)だったんだ。

ボートが沈(しず)んだら、君(きみ)を助(たす)けてあげるさ」

「まあ、うれしい。

さすがね」

それからしばらくの间(あいだ)、二人(ふたり)とも无言(むごん)だった。

男(おとこ)はゴロリと横(よこ)になり、灼热(しゃくねつ)の太阳(たいよう)に全身(ぜんしん)をさらしている。

どれくらい时间(じかん)がたっただろう。

女(おんな)が突然(とつぜん)、海(うみ)に飞(と)び込(こ)んだ。



「た、助(たす)けてー」女(おんな)が海面(かいめん)で両腕(りょううで)を激(はげ)しく动(うご)かす。

「お愿(ねが)い、助(たす)けて」

女(おんな)の悲鸣(ひめい)は続(つづ)く。

しかし男(おとこ)は平然(へいぜん)とボートに乗(の)ったままだった。

そのうち女(おんな)は、どこからか流(なが)れてきた丸太(まるた)にしがみついた。

ボートの男(おとこ)を见(み)ながら言(い)う。



「ひどい人(ひと)ね。

私(わたし)が溺(おぼ)れたら助(たす)けてくれるって言(い)ったじゃないの」

「仆(ぼく)は、ボートが沈(しず)んだら助(たす)けてあげるって言(い)ったんだ」

「そ、そんな……。

私(わたし)は泳(およ)げないのよ。

なのに放(ほう)っておくなんてひどいわ」

「泳(およ)げないのにどうして飞(と)び込(こ)んだんだい。

君(きみ)は、仆(ぼく)の気持(きも)ちを试(ためし)そうとしたんだね。

悪(わる)い人(ひと)だな」

男(おとこ)は、いたずらっぽく笑(わら)う。

女(おんな)は反论(はんろん)した。



「违(ちが)うわ。

あなたの気持(きも)ちを试(ため)すだなんて、そんなひどいことはしない……」

「だったら、どうして自分(じぶん)から飞(と)び込(こ)んだんだい?」

「だって……」

「だって、どうしたんだい」

「だって、ボートの中(なか)に大(おお)きなサソリがいるんですもの。

それって、一刺(いちさ)しで人(ひと)を死(し)なせちゃうっていう毒(どく)を持(も)ってるサソリでしょ」