日语机构网 学习杂谈 【日语共读】《心》夏目漱石(173)

【日语共读】《心》夏目漱石(173)

【日语共读】《心》夏目漱石(173)

【日语共读】《心》夏目漱石(173)

「十一月の寒い雨の降る日の事でした。私(わたくし)は外套(がいとう)を濡(ぬ)らして例の通り蒟蒻閻魔(こんにゃくえんま)を抜けて細い坂路(さかみち)を上(あが)って宅(うち)へ帰りました。Kの室は空虚(がらんどう)でしたけれども、火鉢には継ぎたての火が暖かそうに燃えていました。私も冷たい手を早く赤い炭の上に翳(かざ)そうと思って、急いで自分の室の仕切(しき)りを開けました。すると私の火鉢には冷たい灰が白く残っているだけで、火種(ひだね)さえ尽きているのです。私は急に不愉快になりました。

“那是寒冷的十一月下雨天的事。我穿着淋湿的大衣,一如往常穿过蒟蒻阎魔堂(注:在东京都文京区 町的源觉寺内,因供奉蒟蒻得名),走上狭窄的坡路回到家里。K的房间没有人,可火盆里却温暖地燃着新添的火种。我也想赶快在红炭上烤烤冰凉的手,便急忙打开自己房间的隔扇门。但是,我的火盆里只有一堆冰冷的白灰,连火种都灭了。我立刻不痛快起来。

その時私の足音を聞いて出て来たのは、奥さんでした。奥さんは黙って室の真中に立っている私を見て、気の毒そうに外套を脱がせてくれたり、日本服を着せてくれたりしました。それから私が寒いというのを聞いて、すぐ次の間(ま)からKの火鉢を持って来てくれました。私がKはもう帰ったのかと聞きましたら、奥さんは帰ってまた出たと答えました。その日もKは私より後(おく)れて帰る時間割だったのですから、私はどうした訳かと思いました。奥さんは大方(おおかた)用事でもできたのだろうといっていました。

这时候,听到我的脚步声走来的是夫人。她见我一声不吭地站在屋子正中间,便爱怜地帮我脱下大衣,换 服。随后听我说冷,又赶紧从外间把K的火盆搬进来。我问K已经回来了么?她答道回来又出去了。那天按理说也是K比我晚归的日子,所以我又有点犯嘀咕了。夫人推测说大概是有什么事吧。

私はしばらくそこに坐(すわ)ったまま書見(しょけん)をしました。宅の中がしんと静まって、誰(だれ)の話し声も聞こえないうちに、初冬(はつふゆ)の寒さと佗(わ)びしさとが、私の身体(からだ)に食い込むような感じがしました。私はすぐ書物を伏せて立ち上りました。私はふと賑(にぎ)やかな所へ行きたくなったのです。雨はやっと歇(あが)ったようですが、空はまだ冷たい鉛のように重く見えたので、私は用心のため、蛇(じゃ)の目(め)を肩に担(かつ)いで、砲兵(ほうへい)工廠(こうしょう)の裏手の土塀(どべい)について東へ坂を下(お)りました。その時分はまだ道路の改正ができない頃(ころ)なので、坂の勾配(こうばい)が今よりもずっと急でした。道幅も狭くて、ああ真直(まっすぐ)ではなかったのです。

我坐下来看了一会儿书。家里静悄悄的,听不见任何人的说话声,我直觉得这初冬的寒冷和静寂,仿佛要渗进我的身体里了。我马上扣上书站起来,突然想到热闹的地方走走。雨仿佛刚住,天空仍然冰冷得铅一般沉重。我怕雨再下,便掮着伞,沿着炮兵工厂的后墙走下东坡。那时候路面还没有展开,坡度比现在陡得多,狭窄的 也没有那么直。

主播介绍

【日语共读】《心》夏目漱石(173)

本期主播:あや

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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作者: 日语机构网

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